〈林〉Don’t think. Feel !
Don’t think. Feel ! とは、かの有名なブルース・リーの名台詞で、ご存知の方も多いかと思われます。
忙しい合間の寸時、少年にカンフーを指導するブルース・リー。次の攻撃を頭で考えている少年に向かって一閃、「Don’t Think. Feel ! (考えるな。感じろ!!)」と、荒い語気を押し殺した声で、そしてあの鋭い目で伝えるのです。
相対して戦うカンフーのこと、実際の戦いのときは、やはり考えているよりも体が勝手に動き、相手に突き、蹴り等の攻撃を、または防御をと、その一瞬一瞬の攻守の繰り返しの中勝機を見出して行くと思うのですが、そうなるまでにはかなりの修練が必要なことは言うまでもありません。
釣ではどうでしょうか?
実際の釣りを考えてみると、事前に得ることのできる天候、潮汐、水温、釣果の変遷などの情報を加味しながら、今まさに船上にいて事前の情報との差異を捉え、オモリが着底したときの底質の判断、そのときの外道も含め本命の活性の判断などを逐一考えながら、新たなエリアであればなお敏感に情報を欲するのではないでしょうか。
この状態は「Think (考える)」が先で、それは事前の、そして当日の情報を考え分析して今日これからの戦略を立て好敵手に挑んでいくからなのです。
でも決して「Don’t Feel. Think ! (感じるな。 考えろ!)」ではなくて、釣では「一瞬」の打撃の連続した攻防であるカンフーの対決とは違っていて、海底付近にいる好敵手を思いはかりながら、次の一手となる自分の攻撃を考えられる「時間」が存在し、考えて繰り出した攻撃結果を「感じる」ことが大切になってくるのではないでしょうか。
そのようにして「考え」得られたことを実釣で好敵手に仕掛けていき、その反応、結果を「感じ」更なる一手を繰り出してゆくことが、有利に釣り進めていくことの一つではないかと思っています。
空手家の故 大山 倍達は 「相手よりも0.1秒早ければ相手を叩くことができる」 という言葉を遺しています。
立ち技格闘技の空手でのことですが、先に書いた考える時間がある釣りでも共通する部分を見出すことができ、空手の場合は0.1秒=Feelかも知れませんが、釣ではもっと長い時間=Thinkすることができ、「考えた」結果攻めた方法の有効性無効性がどこかを「感じ」取ることで、 状況の変遷をタイムラグ少なく連続して追従できる=無駄な時間がなく釣果に繋がる という事が言えるかもしれません。
そしてまた、宙で食ってきたカワハギを次の挙動で掛けるには 「Don’t Think. Feel ! 」なのかもしれません!
Keep concentration !