アングラー:林 良一


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林 良一さんの記事
2011.6.30

〈林〉重心を導き出す

先日観ていたテレビ番組でのこと、陸上競技に使うハンマー投げのハンマー、いわゆる選手が両手で振り回し遠くへ飛ばすオモリ部分の規格についてふれていました。

それによると、ハンマーといわれるオモリの部分、持ち手が付いたワイヤー部分など、当然一定の許容範囲内の重さ、長さの規格に作られていることがルール上不可欠とされているそうです。

中でもハンマー部、一見金属の球なのですが、重心の位置をずらして作ってあり、ワイヤーの持ち手から重心が、規格の範囲内で遠ければ遠いほど、鍛え上げられた選手がもたらす遠心力の作用をより多く受け、ハンマーが遠くに飛ぶのだそうです。

ただしそれは厳格な規格内でのこと、金属の球であるハンマーを、重心部と、ワイヤーを取り付ける場所を水平にし、直径11mmのパイプの上に置いた時、重心がずれているので落ち着かず落下してしまうのですが、直径12mmのパイプの上にはバランスを保って落ちずに乗っていなければならないそうです。

そんなギリギリの規格を日本の工場で作っているそうで、許容範囲内で僅少の誤差も許されない精密な技術、そうして作り上げられたハンマーを振り記録に挑む一流アスリート、しばし見入ってしまう番組でした。

 

釣りでの重心

僕は竿を構える時、右手をリールのかなり前方で柔らかく握り、トリガーには小指の外側が触れるように持ち、フォアグリップ直前に位置するリールを装着した竿の重心を、人差し指と中指で挟み込むように持ちます。

 

ぱ1_1~1.JPG

 

これは、製品として金属球の重心を緻密かつ意図的に片芯させて作り上げられた先のハンマーとは違い、既に完成品である竿を自分流のパーミングで、リールの重量も加算された状態での重心を探し導き出し、揺れる船上でいかに竿をコントロールしてゼロテンションを保つかを考えいたときにたどり着いた形なのです。

また、どうしても重心が前方過ぎてパーミングすると前方重心になてしまい、竿先の持ち重り感が消せないとき、竿尻にオモリを埋め込んだりしてバランス調整をすることもあります。                                                                          これは、極鋭カワハギのチューンバットに標準装備のバランスシフトシステムと同じ考え方なのです。

 

そうやって自分流の重心の位置を探すのですが、タックルは言わずと知れたDAIWAの最高峰、規格内できわどくバランスを取ったハンマーを投げる一流のアスリートよろしく、船上では最高のパフォーマンスができる釣り人でありたいものです。

 

マルイカ実釣動画  http://www.youtube.com/watch?v=nRcBSR31OFc  1:15s~2:05s辺りで、ゼロテンションのパーミングについての解説をしています。

参考記事:パーミング http://daiwa-funesaizensen.com/blog-hayashi/2009/04/26/19/